2012年12月13日木曜日

酒見賢一「泣き虫弱虫諸葛孔明〈第1部〉」

酒見 賢一 (著)
「泣き虫弱虫諸葛孔明〈第1部〉」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4167773082/>
文庫: 646ページ; 出版社: 文藝春秋 (2009/10/9); ISBN-10: 4167773082; ISBN-13: 978-4167773083; 発売日: 2009/10/9
[書評] ★★★★☆
 酒見賢一氏のデビュー作、「後宮小説 (新潮文庫) [文庫]」が非常に面白かったのだが、そういう訳でAmazon.co.jpで「おすすめ商品」に入っていたのが本書。ふざけたタイトルに目を引かれて、思わず購入ボタンをクリック。 酒見氏が中国史に対して造詣が深いことは既に判っていたので、 三国志をどんな風に料理してくれるのかと期待。
 正直、ブッ飛んだ。なんじゃこりゃあ?!  諸葛孔明は宇宙スケール(?)の男だし、 劉備は何やら変な人気はあるが、やたらと情けない存在として書かれているし。
 吉川英治でも北方謙三でも陳舜臣でもいいから、「正統な」三国志を読んでから読むべし。 正史三国志に三国志演義に、その後の創作も含めて、様々な解釈のある三国志であるが、パラレルワールド(?)を味わうことが出来る。 正統な歴史小説ではないが、これはこれで面白い。
 ただチョット難点なのが、話が全然進まないこと。 諸葛孔明の登場から三顧の礼までが、 「第1部」で文庫本630ページに書かれている。ストーリー展開の遅さは「頭文字D」にも勝るとも劣らない(?)。
 まぁ、非・正統派ではあるが、娯楽小説としてはよく出来ていると思う。

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