2014年4月9日水曜日

西尾 維新 (著), VOFAN (著)「終物語 (下)」


西尾 維新 (著), VOFAN (著)「終物語 (下)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062838680/>

単行本(ソフトカバー): 396ページ
出版社: 講談社 (2014/4/2)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062838680
ISBN-13: 978-4062838689
発売日: 2014/4/2

[書評] ★★★★☆

西尾維新氏による「〈物語〉シリーズ」17冊目にして最新刊、〈物語〉シリーズ・ファイナルシーズン最終巻。高校3年生の主人公・阿良々木暦(あららぎ こよみ)、大学受験当日の朝のできごとから、卒業式までの短い期間のエピソード。時系列的にあっちこっち飛びまくってきた本シリーズだが、最終巻ではその跳躍が無く読み易い。

本シリーズでは「怪異」をテーマにしているので、陰惨なシーンや、心の闇に関する記述が多かったが、本巻では目を逸らしたくなるシーンは少な目。むしろ、個人として自分をとりまく人達や社会とどう折り合いをつけていくのか、自分の中の良い部分・悪い部分をどう受け入れるのか、そういったものが著者のメッセージであったように思う。本シリーズでは、人間としての業(ごう)を肯定している。また、自分の将来に対してヴィジョンを持つべきこと、日常を続けるにはそれなりに痛みを伴うこと、そしてその痛みを乗り越えて生きて行かなければならないことを伝えている。
  • 苦労の末に手に入れた、当たり前だった。
    (p.372より引用)
が印象的だった。


なお、ファイナルシーズンには再終巻(?)があり、「続・終物語」で本当の完結となるらしい。本巻の最後の方に伏線があったので、どのように回収されるのか、待ち遠しい。

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