2015年10月4日日曜日

「トマ・ピケティ パリ白熱教室」(DVD全3枚セット)


「トマ・ピケティ パリ白熱教室」(DVD全3枚セット)
<http://www.amazon.co.jp/dp/B00UMP7W6I/>
出演: パリ経済学校(PSE) トマ・ピケティ教授
販売元: NHKエンタープライズ
ASIN: B00UMP7W6I
EAN: 4988066210600

[評価] ★★★★★

一世を風靡したトマ・ピケティの「21世紀の資本」(2014/12/9)だが、大きめの本で700ページ以上ある(文字も小さい)。ちょっと読む気になれないな~と思っていたら、NHKの「白熱教室」シリーズでDVDが出されたので、観るだけなら読むより楽だろうと(笑)買ったのがコレ。

内容は明確でわかりやすい。「21世紀の資本」のエッセンスを知るだけなら、このDVDで充分かもしれない。
  • 資産格差の時代変遷 … 2度の大戦→資産の破壊→1940~1970年の間は資産の相続は少なかったが、1990年以降は資産の相続が再度増えており、19世紀までと同様に資産と教育レベルが相続されてしまっている。
  • 格差を拡大するスケールメリット(規模の経済) … 資産にもスケールメリットがあり、大きな資産の方が大きなリターンが得られる構図は昔も今も同じ(これも格差の拡大を加速する)。
  • 資産格差⇔教育格差 … 日本でも何年も前から、子供の教育レベルは親の収入によって大きく異なり、格差が拡大する方向にあると言われてきたが、全世界の膨大なデータ(先進国から途上国まで)でそれを裏づけた形である。
格差是正のための方策として、所得と資産に対する累進課税が挙げられている。
  • 所得と資産に対する累進課税→過去に(所得税を収めながら)苦労して蓄えた資産に対しても課税? 相続に対して課税するのは理解できたとしても、本人の貯蓄に対して課税するのは? 努力が報われない社会が理想なのか?
格差是正には痛みも伴うということのようである。


パリ経済大学(フランス)での講義だが、使用言語は英語。各回の冒頭部でピケティ教授の生の声が聴けるが(日本語字幕あり)、フランス訛りが強い英語。なお、本編は日本語吹き替え。

◆関連図書:
  • ロバート・ライシュ「暴走する資本主義」(東洋経済新報社、2008/6/13、Amazon拙書評)
  • ロバート・ライシュ「格差と民主主義」(東洋経済新報社、2014/11/21、Amazon拙書評)
  • ノーム・チョムスキー「アメリカを占拠せよ! 」(筑摩書房、2012/10/9、Amazon拙書評)
  • 水野和夫「資本主義の終焉と歴史の危機」(集英社新書、2014/3/14、Amazon拙書評)
  • トマ・ピケティ「21世紀の資本」(みすず書房、2014/12/9、Amazon)

これは「21世紀の資本」
本棚の肥やしになっています(笑)。

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