2017年1月2日月曜日

中山七里「おやすみラフマニノフ」


中山七里「おやすみラフマニノフ」
<https://www.amazon.co.jp/dp/4796685820/>
文庫: 372ページ
出版社: 宝島社 (2011/9/6)
言語: 日本語
ISBN-10: 4796685820
ISBN-13: 978-4796685825
発売日: 2011/9/6

[書評] ★★★★☆

前作「さよならドビュッシー」で鮮烈なデビュー(?)を飾った、探偵ピアニスト「岬洋介シリーズ」の2冊目。

本作の語り部は貧乏な音大生でヴァイオリニスト。プロへの切符を掴むため、定期演奏会の主席奏者(コンサートマスター)の座をかけたオーディションに出る。…と、そんな学園で、演奏会で使われる予定だった2億円のチェロ・ストラディバリウスが盗難、その後も度々事件が起き…。

ピアニスト・岬洋介だけでなく、他の人物も何人かが前作と重複する。同じ演奏会でのピアノ交響曲の演奏シーンも重複するが、これを別の視点から描いているのが面白く、同一人物について見る立場により内面描写が少し違うのも興味深い。

心理描写が細やかなのも、音楽(曲調・演奏)についての深い描写も前作同様。ただ、前作に比べて、演奏家自身の「狂気」成分は少なめ。また、伏線~回収も少な目。前作より軽く読める。なお、これは意図的な技法なのだと思うのだが、登場人物の動きや発言に一切の無駄が無く少々不自然(少なくとも作品世界の表現に不要な言動は皆無)。これによって、人物の動作に不自然な点(大抵は伏線となっている)を目立たせているとも言える。

音楽好き、ミステリー好きの多くに薦められる本だと思う。

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参考:「岬洋介シリーズ」既刊&既読本の書評URL
  1. 「さよならドビュッシー」
    単行本:<https://www.amazon.co.jp/dp/4796675302/>
    文庫本:<https://www.amazon.co.jp/dp/4796679928/>
  2. 「おやすみラフマニノフ」
    単行本:<https://www.amazon.co.jp/dp/4796679014/>
    文庫本:<https://www.amazon.co.jp/dp/4796685820/>
  3. 「いつまでもショパン」
    単行本:<https://www.amazon.co.jp/dp/4800205514/>
    文庫本:<https://www.amazon.co.jp/dp/4800220432/>
  4. 「どこかでベートーヴェン」
    単行本:<https://www.amazon.co.jp/dp/4800255678/>
    文庫化:未

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