2014年11月24日月曜日

エリック・カンデル & ラリー・スクワイア「記憶のしくみ(上・下)」

先日レビューした「臨死体験」は、人間の脳の働きに関する本としては、ちょっとオカルトっぽい所もあった。今回は堅い目の本で、2000年にノーベル生理学・医学賞を受賞者したエリック・カンデル博士と、認知心理学/認知神経科学の大家であるラリー・スクワイア博士の共著だ。

 

エリック R・カンデル & ラリー R・スクワイア(著), 小西 史朗 & 桐野 豊(翻訳)「記憶のしくみ(上)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062578425/>
新書: 304ページ
出版社: 講談社 (2013/11/21)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062578425
ISBN-13: 978-4062578424
発売日: 2013/11/21

エリック R・カンデル & ラリー R・スクワイア(著), 小西 史朗 & 桐野 豊(翻訳)「記憶のしくみ(下)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062578433/>
新書: 304ページ
出版社: 講談社 (2013/12/20)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062578433
ISBN-13: 978-4062578431
発売日: 2013/12/20

[書評] ★★★★☆

「記憶」や「忘却」について、脳の中でどのようなメカニズムが働いているのかを書い本。解剖学・生理学・行動学といった広いアプローチを結合させ、脳の働き(特に記憶)について現在わかっている内容を、素人に比較的わかりやすくまとめた本。

「人はどのように自分を認識するのか、個性はどのように出来るのか」「経験により、記憶はどのように作られていくのか」「アルツハイマー病はなぜ起こるのか、治療はできるのか」等々、興味深いテーマが沢山出てくる。面白い。現在わかっていること、まだわかっていないことがキチンと区別して書かれているのも良い。

とはいえ、本書には以下の短所もある。
  1. 内容が広過ぎて、ついていくのが大変である。←読み手である私に素養がないだけなのかも知れないが…(池谷裕二先生の本で読んでいたテーマはスラスラと読めたが、脳内の化学反応や分子遺伝学について書かれている箇所は、読むのが少しシンドかった/苦笑)
  2. 翻訳が直訳に近く読み難い箇所が多い(英語特有の表現まで直訳っぽい)。翻訳の専門家ではない脳神経学の研究者による和訳なので避け難い問題なのかも知れない。サイエンティストとして原文に忠実に翻訳したのだとも考えられる。
  3. 訳注(長いものが多い)が都度文中に入るので、通読しにくい。脚注や後注の形式にしてくれた方が良かったのではないだろうか。
最初の1点以外原著者の責任ではなく、翻訳の問題である。

少し難しい箇所もあるかも知れないが、「学習」とか「忘却」とかについてキチンとしたことを知りたい人には是非お勧めしたい。

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